理論関連事項

統計学の基本事項,確率分布の詳細,各種データ解析法の理論的背景について.

ルビーン検定 (Levene test) とは獲得した複数のデータ間の母分散の均一性を検定する検定手法である.バートレット検定およびハートレイ検定と同様,得られた2群のデータ間の等分散性を検定するF検定を一般化した検定法といえる.本検定法は1960年にアメリカの数理統計学者,Howard Levene によって提案された.得られたデータが以下のようなデータ1,データ2,...,データkのk水準からなる場合,ルビーン検定は以下の手順によって行う.帰無仮説 (H0) はk群間の母分散は等しいことである.

データ1X11, X12, X13, ..., X1N1
データ2X21, X22, X23, ..., X2N2
・・・・・・
データkXk1, Xk2, Xk3, ..., XkNk

ハートレイ検定とは異なり,ルビーン検定においては,それぞれの水準におけるサンプルサイズの N1,N2 および Nk は一致する必要はない.ここで,各水準におけるサンプルサイズを Ni,全サンプルサイズを N とするとき,以下の統計量Wを求める.

\begin{eqnarray*}W=\frac{(N-k)}{(k-1)}\frac{\displaystyle\sum_{i=1}^{k}N_i(Z_{i\cdot}-Z_{\cdot\cdot})^2}{\displaystyle\sum_{i=1}^{k}\sum_{j=1}^{N_i}(Z_{ij}-Z_{i\cdot})^2} \tag{1}\end{eqnarray*}

ここで,Zij は以下で与えられる値である.

\begin{eqnarray*}Z_{ij}=|X_{ij}-\overline X_{i\cdot}|\tag{2}\end{eqnarray*}

ここで,Xi・ は水準iの平均値であり,以下で与えられる.このとき,平均ではなく中央値を使用することもできるが,その場合はルビーン検定ではなく,ブラウン・フォーサイス検定 (Browne-Forsythe test) となる.

\begin{eqnarray*}X_{i\cdot}=\frac{1}{N_i}\sum_{j=1}^{N_i}X_{ij}\tag{3}\end{eqnarray*}

また,Z・・ は Zij の平均値であり,以下で与えられる.

\begin{eqnarray*}Z_{\cdot\cdot}=\frac{1}{N}\sum_{i=1}^{k}\sum_{j=1}^{N_i}Z_{ij}\tag{4}\end{eqnarray*}

Zi・ は以下で与えられる値である.

\begin{eqnarray*}Z_{i\cdot}=\frac{1}{N_i}\sum_{j=1}^{N_i}Z_{ij}\tag{5}\end{eqnarray*}

以上で求めた統計量Wは近似的に自由度 k-1 および N-k のF分布 F(k-1, N-k) に従う.この統計量Wが自由度 k-1 および N-k のF布上において,あらかじめ設定した棄却域に入るか否かを考える.帰無仮説が棄却されたら対立仮説を採択し,k個のデータ間の母分散には差があると判断する.

Hatena Google+