統計検定に関する事柄を忘れないようにまとめます.

統計学におけるモーメントは物理学におけるモーメントの類推である.物理学におけるモーメントが長さと力の積であるのに対し,統計学のモーメントは標本と確率の積で与えられる.

確率変数Xの原点まわりの r次のモーメント μr は以下で定義される.原点まわりの1次のモーメントは,まさに確率変数X の期待値そのものである.2次,3次および4次のモーメントはそれぞれ,分散,歪度および尖度の計算に用いられる.

\begin{eqnarray*}\mu_r=E(X^r)\tag{1}\end{eqnarray*}

以上の式は,f(x) を連続確率変数X の確率密度関数として,以下のように表すことができる.

\begin{eqnarray*}E(X^r)=\int_{-\infty}^{\infty}x^rf(x)dx\tag{2}\end{eqnarray*}

一方で,X が離散確率変数の場合,以下のようになる.

\begin{eqnarray*}E(X^r)=\sum_{i}x_i^rf(x)\tag{3}\end{eqnarray*}

確率変数X の平均まわりの r次のモーメント μr' は μ を X の平均として以下で定義される.

\begin{eqnarray*}\mu_r'=E[(X-\mu)^r]\tag{4}\end{eqnarray*}

以上の式は,f(x) を連続確率変数Xの確率密度関数として,以下のように表すことができる.

\begin{eqnarray*}E[(X-\mu)^r]=\int_{-\infty}^{\infty}(x-\mu)^rf(x)dx\tag{5}\end{eqnarray*}

一方で,Xが離散確率変数の場合,以下のようになる.

\begin{eqnarray*}E[(X-\mu)^r]=\sum_{i}(x_i-\mu)^rf(x)\tag{6}\end{eqnarray*}

以上の各モーメントはモーメント母関数を利用することで容易に求めることができる.

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